2020/12/07 17:00

江戸のし餅は、冷凍食品です。

 冷凍食品は、魚や肉、生鮮品など、そのままではすぐに腐ってしまう食べ物の品質を落とさずに消費者に届けるためのものです。
その歴史は今から約90年前、魚が不漁の時に当時の冷凍庫を開発した技術者が「イチゴ」と「ミルク」の凍結品を作ったのが始まりとされています。現代でもこの組み合わせは人気がありますね。

 さて、2020年も年の瀬となった今、我々は日本の伝統食である「餅」を冷凍販売するに至りました。
販売の経緯についてはまたお伝えするとして、なぜ、冷凍販売となったのか?
 我々が江戸のし餅を冷凍で売りたい理由、、、

 知りたい方は、ぜひ続きを読んでください。↓↓↓



 みなさんがまず思い浮かべるのは、常温販売の「切り餅」かと思います。
この時期、スーパーに行くとレジ付近に大量陳列されている「切り餅」。
お正月を過ぎ、すっかり餅のことも忘れたときにキッチンのストック棚から出てくる「切り餅」。
レンチンして、醤油かけて海苔巻いて食べる「切り餅」。
みなさんが普段口にする「切り餅」はそう、工場で作られた大量生産の≪常温品≫ですよね。

 『常温販売の餅』
…加熱しないと、食用に適さない
…残るとすぐにカビて、保存に適さない
  (もっとも、最近は保存技術も上がっているみたいですね!)
…年末に需要が伸びるのに、たくさん作れない
  (この時期、どこのお米屋さん・お餅屋さんも伸し餅の年末の注文は締め切っているところが多いです。)

 一方、

 『冷凍販売の餅』
…やわらかいまま急速冷凍したので、解凍すると元のやわらかさに戻る!
…使わない分はそのまま冷凍庫に保存するので、長持ちする

 餅全般に言えることですが、やわらかさを感じられる餅は、はっきり言ってかなり希少です。
 この江戸のし餅は、解凍するとつきたての柔らかさに近くなります。
 レンチンした餅と、職人つきたての餅、どちらが美味しいかは言うまでもありませんね。
 後者については自分の舌をもって体感しなければ、その良さはわかりません。

 さらにこだわりポイントがもうひとつ。


 『もちつきミキサー』
…早く仕上がるが、噛みごたえやお米のでんぷん質の絡みがよくないので、いわゆる「職人がついた餅」とは程遠い

 市販の餅や近年のもちつき大会では、高価なもちつき機が使えない、手搗きの餅をつくる人手がいないということで羽根がぐるぐる回るタイプのミキサーを使った餅を食べる機会が多くあるかと思います。しかし、米粒同士のすり合わせででんぷん質を絡ませるため、どうしても米粒感は残ってしまうのです。

 『もちつき機』
…しっかりとつくことで米粒をつぶし、でんぷん同士の絡みがよくなるため、噛みごたえや舌触りのよいお餅になる

 有名メーカーの切り餅・丸もちは、必ず『もちつき機』を用いて餅をついているようです。常温品であっても、クオリティが高い製品になるのはこのためですね。「江戸のし餅」は、伝統的なもちつきと同じような仕上がりを求め、『もちつき機』を用いて餅をついています。

 しかし!

 ・たった数回つきすぎても、今度はトロトロになってお餅に「伸び」がなくなってしまう。
 ・ゆっくりついても、蒸しあげたおこわの温度が下がってしまう為でんぷん質がくっつかず、きれいな餅になることさえできない。


 こういった困難から品質を守るべく、職人の手によるもち米の給水具合、作業場の室温・湿度、つき加減の管理が欠かせません。
 その点「江戸のし餅」は、その道一筋のプロが仕上げる餅だから、美味しくなるわけなのです。

 伸びすぎでしょ!




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(※2020/12/10 追記)どうしてもつきたてのやわらかさに戻らないとお困りの方に、製造部門からのワンポイントアドバイスです!
解凍する際、小型のタッパーに凍った餅(解凍しても固まってるモノでもOK)を入れ、水(そのまま食べてみたい方は砂糖水でも)を加え一時間ほど置いてください。そのまま取り出して食べてみてもよし、濡れたままラップを軽くかけ、レンチンでもよし!
おためしあれ!
弾力が